暗殺者 The bloody truth

１．０１

　三階建てのそれは、さほど大きなビルではなかった。

　俺はその入口へと歩いていきながら手で腰を確認。愛用のベレッタＭ９２ＦＳ拳銃はたしかにある。

　体内ではカテコールアミンであるアドレナリンやノルアドレナリンなどが大量分泌され闘争本能を覚醒。心拍数と血圧を上昇させ瞳孔が拡張、脂質からエネルギーが抽出され筋肉の素早さが増加してゆく。

「凡庸に続く毎日と変わらない、今日も大丈夫だろうさ」

　他人に聞こえないよう呟いてから大きめの入口からビルの中へと入る。

　三人の男がいた。

　突然の侵入者である俺に鋭い眼光を突き刺し、やがて前の男が口を開こうとする。

　頃合いだな、始めよう。

「なんだお前は、さっさと出て……」

　腰のホルスターからベレッタを引き出して即座に二発発砲、銃声と共に鉛の弾頭が額に命中し、男が絶命。

　突然の異常事態に左右の二人が驚愕する。