第二章:謎の跡

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時刻は午後五時半をまわっていた。 玲子が先生を呼びに行った直後である。 俺は自分の首の跡を一通り確認した後、ふと目線を下に向けた。 保健室の床に何かシミのようなものがあった。 何だろうと思ってよく見てみるとそれは俺の首についている跡と同じような手の形をしていた。 それを見た瞬間、恐怖で声も出なかった。 俺は保健室から出ようとしたが、なぜかドアが開かない。 なんとかドアを開けようとしていると視界の隅に何か写った。 恐る恐る、その方向へ目を向けると……それも手の形をしていた。 しかし、俺の首や保健室の床についているヤツとは違った。 俺は勇気を出してそれに触ってみた。 ベトベトしている。 俺の予感は当たった。 最悪だ。 これは…血だ。 「う、うわぁ!」俺はすぐさま手を放した。 怖くなって俺は保健室のベットに潜り込んだ。 すると、ヒタヒタと何かが地面を裸足で歩くような音が聞こえた…‥。 俺は恐る恐るその足音のする方を覗いてみた。 すると、信じられない光景が目に飛び込んできた!? 赤い足跡が俺の方へ近づいてきている! 俺はあまりの恐怖で、金縛りにあったかのように体が動かなかった。 そこで俺の記憶は途切れた。‥…目が覚めると俺は、自分の部屋にいた。 「なんだ、夢かぁ」 俺はほっとして、ベットから起きようとしたが、起きられない!? 「ん?どうなってんだ?」 そういって俺はあることに気付いた。 「!?あ、あ、足がないー!」 そこで俺は目が覚めた。どうやら、また意識を失っていたらしい。 「ここはどこなんだ!?」
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