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「ん?」
「どうしたの?泣いてる」
慌てて頬を触った。
本当だ、濡れてる。
「じゃあ知念くんにも魔法かけてあげるっ!」
そう言って龍太郎の顔が近付いてくる。
あと1センチ。
ってとこで唇に当たったのは龍太郎の唇じゃなくて、お菓子の袋だった。
もちろん犯人は山ちゃん。
「龍ー、知念は今日あったばっかだからまだ魔法はかけちゃだめだよ」
「えー」
「どうしてもかけたいなら俺にしな」
「ちぇっ」
そう言って龍太郎は山ちゃんにしんちゃんの時よりちょっと長いキスをした。
そしてその時、僕は気付いた。
僕の気持ちに。
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