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「使用人が御主人様とご一緒に召し上がるなんて、ありえませんよ」
苦笑ぎみに大輝は答えた。
「でも・・・」
大輝だって、お腹は空いているだろう。
しかも、もう少しで昼休みも終わってしまう。
食べる暇なんてあるわけがない。
「響鈴様?」
食べるのを止めている響鈴に大輝は声をかける。
「・・・・・。座って」
「え・・・?」
「横に座って!!!」
響鈴は声を荒げる。
大輝は驚いた。
そして言われた通り、響鈴と少し離れて横に座る。
「響鈴様?どうし「はいっ!!」
響鈴は、大輝にパンを渡す。
「ですから、ご一緒には・・・・」
困った表情をして、大輝は言う。
「ここは、花ノ院邸じゃないわ!!ってことは本当は今はあなたは使用人じゃないのっ!!!」
響鈴は大輝を強く見つめて訴える。
「だから一緒に食べてもいいの!!わかったわね!!」
そう言って、響鈴は大輝の手にパンを押し付け渡す。
そして、そのまま自分はまたパンを食べ始めた。
「・・・・。」
大輝は、最初は呆然としていた。
そして、少し戸惑ったがパンを自分の口に運ぶ。
響鈴は、横目でそれを確認すると、薄く微笑んだ。
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