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ここに来るまでの間に一体何度同じような馬鹿を相手にしてきただろう。
最も盗賊という職業は冒険者と同じくらいポピュラーな職業なのだから仕方ないか・・・
冒険者になるにはそれぞれの街にある冒険者組合に申請を出し、組合が出す試練をクリアしなくてはならない。一方、当然ながら盗賊になるのに資格など無い。その上盗賊には要請等来るはずも無いので、わざわざ命を危険にさらして魔物と戦う必要もないのだ。
冒険者試験に落ちた者の半数が盗賊になるというのもまんざら有り得ない話では無い。
街に着いた私は早速宿で湯浴みをして、準備に取り掛かる。
[ЫёжЮ§£Λξξ]
私は失われた言語を繋ぎ合わせとある魔物との契約を呼び覚ます。
正直今まで使おうとも思わなかった契約の封印を解いていく。
危険なのだ。とても。
この契約は大昔に私の先祖が一族に流れる血で契約を結んだもの。
私自身この魔物に関して余りにも知らないのだ。
もちろん自信が無い訳では無い。
7魔王に近しい力を持つ魔物の力を借りる魔術もいくつか知っている。
だが・・・もしもコントロールを誤ったら・・・
もし予想の域を超える魔術だったら・・・
最悪の場合、命を落とす程度で済むかどうか・・・下手すりゃ私がこの世界を破壊しかねない。
[・・・βνμγζЙфх]
私の不安をよそに何事も無く契約は息を吹き返し、私の脳裏にとある呪文が刻み混まれる。
「・・・む」
今回刻み込まれた呪文はたった一つだけ。
普通このクラスの魔物なら複数の呪文を一度に覚えて然るべきなのだが・・・
「・・・やってみるしか無いよなぁ・・・ぶっつけ本番で」
さすがに何が起こるのか予想もつかない、しかも伝承通りなら圧倒的な力を持つはずの魔法を街中で試し撃ちする訳には行かない。
ゴゴゴゴゴゴゴ
直後まるでその儀式が終わるのを待っていたように地響きが起こる。
街は以外とパニックにはなっていないが慌ただしい気配がする。
住民はとっくに避難して、街にいるのは冒険者ばかりなのだろう。
ブリリアントウィング
「空烈飛翔羽!!」
私は羽織っているマントを風の羽に変え、あからさまに陰湿で冷たくそして巨大な魔力を目掛けて飛びだす。
7魔王の一角"紅魔龍"
その姿は名の表す通り赤いドラゴンで目からは絶えず魔力なのか闘気なのか緑色の炎の様な物が揺らめいている。その上レッドドラゴンがただ
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