落とし物と女の子

12/62
前へ
/240ページ
次へ
「ふぁぁ………結局そんなに眠れなかったな………恨むぞ」 「あら、あなたが起きるから悪いのよ。私はただ熱がないか確かめてただけよ?」 「確かめるのに人の上に寝そべる必要があんのか?」 「体全体の脈も調べる必要があったのよ」 理由がものすごく理不尽に感じるのは気のせいではないだろうな。 「んじゃあ、俺は帰るから。じゃあな先生」 「また来てね~~」 誰がこんなところに来るもんか。 あの先生に関わるとろくなことが起きない。 例えば………… 「ちょっとそこの少年待ちたまえ!」 下駄箱の前で呼び止められるが、だるいから無視の方向で。 「だから、待ちたまえ!君には聞かなければならない事があるのだから」 「俺にはないので、さようなら」 「君には用がなくともこちらにはあるのだよ。 将兵一番から五番道を塞ぐんだ!」 「「「「「L・M・Lの名に懸けて!」」」」」 玄関へのいく道を変なバカな奴らに塞がれる。 どのくらいバカかと言うと……… 鉢巻き、旗、リストバンド、Tシャツ、そしてそれ全てにL・M・Lの文字。 なんかの応援団かなんかですか?
/240ページ

最初のコメントを投稿しよう!

705人が本棚に入れています
本棚に追加