落とし物と女の子

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「鈴風さんには、す、好きな人はいますか?!」 「好きな、人?」 「はい、好きな人です!」 好きな人か………それってつまりは異性の好きって事なんだろうな。 でもたかが俺の好きな人でこいつが顔を真っ赤にしてヤケになる要素は無いはずだが……… 「好きって気持ちはよくわからんから何ともいえないが、好きな人は生まれて以来いないな」 「ほ、本当ですか!……良かった………」 「何でお前が安心するんだよ。ってか大事な話ってそれの事か?」 「いえ、さっきの質問は本題を出す手前の段階です。それで、今から本題に移りたいのですが………真剣に答えてほしいのです」 さっきの安堵した顔から真剣な表情に戻った。 それに、お嬢様の大事な話って何なのか少し興味がある。 「実は………」 「実は……?」 そういえば何か大事な物を忘れているようなないような……………まあいっか、だるい。 「鈴風さん!私と婚約してほしいのです!」 …………………はい? いや、おかしいだろ。 何で初対面みたいな人からいきなり婚約? プロポーズ?こいつマジか……嘘か……… いやでもさ、そんな自信満々に頷かれても困るのだが…… ……ってかまずはこいつの常識外れな知識をどうにかせねば…………
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