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「あのな、まずさ、初対面みたいな人に婚約を申し込む挙げ句、好きでもないのにそれ言うの止めた方がいいぞ」
「鈴風さん………私はそんなお尻の軽い女ではありません。
しっかり、お嬢様のプライドは持ち合わせているつもりです」
お嬢様のプライドは知ったこっちゃないし、この言動はもしかして……
もしかすると………
「私はあなたに事故で、この命を助けてもらいました。
だから、私は鈴風さんのことが好きです。私と婚約してもらえませんか?」
よくそんなくさい、恥ずかしい台詞をすらすら言えるな。
そこだけ感心感心。でもさぁ…………
「………………誰かこの子に常識というのを教えてあげてください。はい、そこの三人頭に?マークをつけない」
月見陰があれなのはわかったが、まさかまともそうな元傭兵さん方まであれとは。
月見陰財閥は大丈夫か?
「だっておかしいだろ。付き合いもしてないのにいきなり婚約なんて。話が飛びすぎだ」
「婚約とお付き合いは違うのですか?」
「まずはそこからか………………あのな、付き合いと婚約は全く持って違う。
婚約というのは互いが結婚の年齢になったら結婚する事が出来るいわゆる絶対チケットなんだ」
「お付き合いは違うのですか?お付き合いしたらそのまま結婚して幸せになるというのではないのですか?」
「おい、いったいどこからそんな嘘っぱちな情報を記憶した」
さっきの発言でさえ頭が痛かったのに、さらに痛くなってしまった。
こいつのお花畑の頭はどうにかする必要があるな。
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