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「えっと。夕方によくやるドラマです」
うはぁ。バカだ、バカすぎるぞ。現実わかってない。
「それはあくまでもドラマの中での話だ。そんなドラマ的展開は現実には有り得ない。
現実には付き合ってそのまま破局したり、浮気したり様々あるんだ。付き合ったら絶対結婚出来るなんて嘘っぱちだ」
「そうなんですか?つまりは婚約は確実に結婚出来て、お付き合いは絶対結婚出来る訳ではないということですか?」
「まとめればそうなるな。でも、婚約というのは相手の了承があったうえか付き合いが長いかしないといろいろ不安定なんだ」
「そうなんですか………では、鈴風さん私と婚約してください」
「人の話聞いてたか?」
「はい!鈴風さんが了承してくれたら婚約してくれるんですよね」
どうやら説明がダメだったらしい。
確かにあの説明ならそういう意味にもなるのだが、もっと別の解釈があるだろうに。
「月見陰。はっきり言うぞ。俺はお前とは婚約はしないし、付き合いもしない。だから、諦めろ」
これが冗談だったらどんなに気分が良かったか。
でも、こいつは本気だ。だから、冗談であってほしかった。
「…………グスン……やっぱり、私なんかじゃだめですよね…………私みたいなダメな女の子じゃだめですよね………グスン」
でないと今みたく泣かせてしまうから。
泣いてる姿は見たくないし、何よりだるい。
落ち着かせるのが果てしなくだるいんだ。
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