705人が本棚に入れています
本棚に追加
息が苦しい、だるい、もう止まって歩いて呼吸を整えたい。
でも………イヤなんだ、わかっていて、人を見殺しにするなんて、イヤなんだ!
視界には彼女が驚いてこちらを見ていた、そしてトラックが視界に入ってくる。
彼女は………三歩目を歩いてしまった。
後一歩、後一歩踏ませる前に!
周りから恐怖と驚きの声が上がる。
それは、彼女への死を感じた悲痛の叫び。
俺は迷わずに彼女に勢いのまま飛びついた。
彼女を守るようにして抱きしめ、勢いで一緒に転がる。
転がっているときに背中にトラックの通る音が聞こえた。
僅かの時間差で彼女を助けることが出来た。
それは、死という恐怖から遠ざかったということ。
「大丈夫か、君たち!怪我はしていないかい?」
「いつつ、まあ大丈夫ですよ。大した怪我はしていませんから」
まあぶっちゃけ、彼女の命を助けることが出来たからそれでよしだな。
「とりあえず誰かあっちにあるカバンとイヤホン取ってきてもらっていいですか?少し休みたいので」
自分に何が起きたのかわかってないのだろう彼女はポカンとしていた。
やっと何が起きたのかわかったのか泣き出した。
泣いている最中悪いのだが、よく見れば俺と同い年ぐらいの子だった。
とりあえず、俺のやることは…………
最初のコメントを投稿しよう!