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「せい!は!やぁ!」
夏休み、8月19日。
その日、オレは実家の道場でいつもの稽古をこなしていた。
「蒼護!程々にして、こっちにこい!」
親父の怒鳴り声。
逆らうと後が怖いからな…
「なんだよ」
「これでケーキでも買って来い」
右手に諭吉さんが一枚渡される。
「はぁ?」
「誕生日だろ?」
「自分で買いに行くのかよ!」
蒼護「行って来ます…」
行くしかないんですけどね…
「おい、これをついでにじいさんとこ持っていけ」
親父がオレに棒状の物を投げる。
ガシャッ
「真剣じゃねーか!んなもん投げるな!」
「持っていく分には問題ないだろ?お前免許持ってるし」
そーいう問題じゃ無い
真夏の道を歩いて行く。
「暑ぃ…」
温暖化やべぇ。
あ~、雪でも降んねぇかなぁ~!
「うわ!」
鼻に冷たい何かが落ちた。
……雪?
くらっ…
突然目眩がする。
「あ~、暑さにやられた…か」
オレはそのまま気を失ってしまった。
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