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Side - Haruka Tsuchimikado
翌日の学校での昼休み。
「ねぇ、ちゃんと聞いてる?あたしの昨夜の苦労話っ!!」
「ちゃんと聞いてるよ。だからそう耳元でがなるな、それに顔近過ぎ。俺はどんだけお前の唾を浴びりゃ良いんだよ」
「一々うっさいわね。あたしの唾浴びるなんて光栄に思いなさい」
「思えるか、俺はMじゃねぇ」
「じゃあ、Mになれば良いじゃない」
「無茶言うな」
あたしの苦労話中には相槌の一つさえ無く、頷いたりもしなかったちょっと無愛想なこの男は御厨 鎮(みくりや まもる)。
あたしの家、土御門家お抱えの呪具士の家系、御厨の次代当主であたしの幼なじみでもある。
御厨の歴史の中でも類い希なる才能の持ち主らしくあたしの《那由他》もこいつが10歳で作った物を改良して出来た。
「Mが云々は置いといて、昨日の夜使った後に《那由他》ちゃんと手入れはしたか?」
「毎回毎回うっさいわね。あたしだって退魔士よ。道具はキチンと手入れしてます」
「見せてみろ」
「どうして呪具に関しては偉そうに上から目線なのよ」
ブツブツ小声で文句を漏らしながら鎮の机に《那由他》を置いた。
こうやって堂々と置けるのは当然しっかり《那由他》を手入れしているから。さぁ、吠え面を晒しなさい、鎮。
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