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「みくりん、いつもの五枚綴りの退魔符売って」
あたしと鎮の会話を聞いていたのかそれとも話が一段落したのを察してきたのかクラスメートが鎮に話し掛けてきた。
いつの間にか"みくりん"なんて妙なニックネーム付けられちゃってるみたい。
「300円」
鞄を見ずに片手でゴソゴソと中を探りながら鎮は答えた。校則では一応バイト禁止になっているけど、今、あたしの目の前で行われている取引は禁止にならないのだろうか?
「みくりんの退魔符って安いのに効くよね。帰り道がお墓の近くだからコレが有るのと無いのじゃ全然違うし」
「道変えるかもっと良い退魔具使えば?なんなら知り合いの呪具士紹介しようか?」
「迂回すると遠くなるしそれにお墓よりヤバいのあるし、退魔具はもっとお金貯まったら考えとく。じゃね」
鎮と親しげに会話を交わしたクラスメート。あたしも彼女の事を知らなくは無いが、鎮とあんな風に喋るとは知らなかった。
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