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我が家は父子家庭と言う奴で、父の敬と弟の玲、そして、私-‐遊の三人家族。
家族仲は良好すぎる位に良好。
ご近所でも有名な仲良し家族だ。
あ、これ、ちょっと自慢ね。
それに、私も玲も片親だからとイジメられたり、過度の同情をされたりしたこともない。
父の職は安定してるし、家もボロとは言え、二階建ての持ち家一軒家だし。
母さんが居ないだけで、特に変わった所の無い、極普通の家族だ。
・・・訂正、だった。
顔を洗いに洗面所に向かおうとした私は、何故かまだ閉まっている居間(リビングなんて洒落たもんは家に無い)のカーテンを開けて、固まった。
そりゃもう、漫画だったら“ビシッ”っとか音が付きそうな具合で固まった。
我が家の番犬であるナツ(詳細は後ほど)の居る、狭い庭の奥。
外から見れば“佐原”の表札が掛かる低い門とブロック塀、それとペンキの剥げた郵便ポスト。
幼い頃見慣れた何の変哲も無い我が家の門、その向こう側に見えるのは・・・
鬱蒼とした森と、舗装されていない獣道の様な細い踏み固められただけの道。
いやいやいや、昨日の夜コンビニに行った時は確かに見慣れた住宅地でしたよ。
斜向かいのゴンザレス(ラブ、♀)が何の恨みがあるんだか、喧しく吼えて下さりやがったし、
隣の山田さん家からは、盛大なクイズ合戦と爆笑が聴こえた。
多分、お馬鹿クイズの番組観てたんだと思う。
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