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と、まあ冗談はとにかく。
ナツペディアの参入で今後の行動についての家族会議がサクサク進んだ。
「じゃ、取り敢えずは一番近い村だか町だかに向かうこと決定な!」
ナツ曰く、獣道を下っていくと集落があるとの事で本日の行動が決定したわけです。
因みに、現在地は“火の国”ジルコール王国と“癒の国”サフィーネ王国の間に位置する山の中だそうだ。
名称は“海猫山”
海猫の変わりに聞き覚えの無い鳥が飛ぶ山です。
メギョルとか。
これから私達が向かうのはジルコールの端に位置する小さな町だが、大きな村だか、らしい。
食卓を片付けてからそれぞれ外に出れる格好・・・と言うよりも、動きやすい格好に着替えて外に出た。
私はカーゴパンツとカットソーでスニーカー。
玲はジーンズになっただけで、私と似たような格好だ。
敬も玲と同じ・・・と言いたいが、問題が一つある。
「おい、親父・・・」
「なんだ?」
前を歩く敬の足元に視線を留めて頬を引き攣らせた玲の声に、ナツのリードを持つ敬が足を止めて振り返る。
「「何故に、雪駄」」
「歩きやすいからな」
「街中だったらな!山道舐めんな!」
玲の全力のツッコミを「まあ気にするな!」と一笑した敬はそのまま先に向かう。
「・・・玲、初っ端から飛ばしてると後が辛いと思うよ」
「・・・俺、ツッコミ止めたい」
それは無理だと思う。
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