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「あそこに隠れて、一歩も動かないでください。そして、これから見ることは他言しないでください」
焔叢はその空間の一角の物影を指し、そう言った。
光は言われるがままに物影に隠れた。
焔叢はそれを見届けると、魔女と向き合った。そして静かに呟いた。
「人に害をなす悪(クズ)が…燃え散らしてやる」
その時、焔叢の纏う雰囲気が変わった。
穏やかな雰囲気は感じられない冷たく、殺気にも似た雰囲気。まるでゴミを見るように無表情で、冷たく魔女を見ている。
魔女は焔叢の姿を見つけると、体から白い毛玉のようなものを飛ばす。
「無駄なことだ」
焔叢は静かに右手を横に振る。すると、飛来する毛玉は全て爆発する。
その爆風の奥から、魔女が腰をかけていた台座が飛来する。それを軽々と避けた焔叢は魔女を見る。
「その程度か…」
そう呟く焔叢の右手には炎が灯った。
「拍子抜けだな」
焔叢はその右手の炎を台座にぶつけ、それを粉々に破壊する。
次に魔女は無数の蝶を放ち、焔叢に向けて放つ。
「手の込んだやり方の割には、大したことないな。
魔女と言っても、所詮その程度か…」
焔叢は両手に炎を灯す。
「燃えろ」
焔叢はまとわりつく羽虫、蠅を追い払うように無表情のまま、迫り来る無数の蝶を焼き払う。
焔叢の炎を気にも止めず、魔女は移動しながら無数の蝶や毛玉を放ち続ける。先ほどと変わり映えしない攻撃に、焔叢は表情一つ変えず、それらを炎で焼き払い続ける。
右手で焼き払い、左手から火の玉を飛ばし、攻撃する。
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