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「遅くなっちゃった……」
とある日の夜、少女は走っていた。
腰まで伸びた黒髪、緑のリボン、緑のチェックのスカート、クリーム色のブレザーを身にまとい、街灯照らされた夜道を走っていた。
「なに?あれ……」
公園に近づいたところで、少女の足は止まった。
公園からゆらゆらと揺れる青い光。正確には、青い炎が上がっているのが見えたからだ。
それと同時に叫び声が聞こえる。いくつもの叫び声が。
「青い炎……」
興味本位で近づいた少女はそこで目にしてしまった。青い炎の中で苦しむ人達の姿を。
そして、その炎の中で佇み、冷たい目で、無表情に燃える人達を眺める少年の姿を。
「燃え散れ、カスが」
少年はその人達を見ながら、静かにそして冷たく言い放った。
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