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その時襖が開いた。
「あ、土方さんじゃないですか!待ちくたびれましたよ」
「悪いな。コイツが長州の奴か?」
入ってきた人と沖田さんが会話する。この人は土方さんって言うんだ。
「さっきから逃がしてくれ、ってずっと言ってるんですけど、どうします?」
「情報をはかせてから殺すか」
「嫌ですー!死にたくないですー!」
土方さんは沖田さんの隣に腰を掛け、じろじろと私の事を見てきた。
「見ないでください!」
「口だけは達者だな・・。」
「情報とか持ってないんで殺さないでください!」
「じゃあ組に入る?」
「総司!何言ってんだよ」
「ははは!冗談ですよ。でもこのコと1回手合わせしたいんですけど・・・」
「はあ?コイツと?・・どっからどう見ても弱そうじゃねえか」
「こーゆー子に限って強かったりするんですよ!」
「そーゆーもんか?」
2人で会話を進めてしまっている。
これじゃ手合わせした後、殺されるんだ・・・。
「お願いします!逃がしてください・・・」
もう嫌だ・・・。死ぬのは嫌だよ・・・・・。
土方さんと沖田さんはじっと私の顔を見ていた。
少し経って沖田さんがニッと笑った。
「じゃあ勝負してください」
「ええ!?何で・・」
「もちろんタダとは言いません。僕に勝ったら逃がしてあげます」
「・・・!本当ですか!?」
「総司!」
「さあ、やるかやらないかは貴方しだいです」
「や・・やります!」
「はあ・・・まったく。無意味な勝負を。総司に勝てるわけ無いのに」
「ふふ、楽しみです」
勝てるかどうかなんて分からない。
でも少しでも望みがあるなら・・・出来たんだから。
絶対勝って帰ろう!
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