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「準備は出来たか?」
部屋の外で土方さんが言う。
そう、沖田さんと戦う事になってしまったのだ。
勝てば逃がしてくれる、って言うけど私は剣術をあまりやった事が無い。
ここは稽古場があるぐらいだから相当特訓してるんだろうな。
だとすると、私が勝てる確率なんて低い。
ただの時間稼ぎかもしれない。
それでも・・・逃げれるかもしれないなら。
卑怯だけど、逃げる隙があれば逃げれるわけだし。
いよいよだ。
「出来ました。」
そういって部屋を出る。
本当はここまで歩いてきて足は疲れてるがしょうがない。
「ん。じゃあいくぞ」
歩き出した土方さんの後について歩く。
緊張して頭が熱くなる。
「あいつは気をつけろよ」
土方さんが言った。
「総司はな、ここで一番強いんだ。避けにくいとこばかり突くんだ」
「・・・・・・」
「ほんとは長州の者だろうが殺したくないが決まった事は仕方ねえ。頑張れよ」
「・・・はい!」
土方さんが応援してくれた。
少し勇気が出てきた気がする。
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