京の町へ

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そういえば名前なんだろう? 「お名前は?」 「ああ、まだ言ってませんでしたね。沖田です。沖田総司」 「沖田さんですか!」 「はい、貴方は?」 「まつし・・・・」 そういえば私は今男のフリしてるんだ。 ここで本名を言ったら何で男装してるのか、とか聞かれて疑われる。 それに、ばれたら長州に連れ戻されるかも・・・。 偽名をつかおう。! 暁・・・麻滓暁 ーマオリアカツキー 。 これでいいか! 「麻滓暁です!」 「へぇ、変わった名前ですね?」 「よ、よく言われます!」 気づかれてないみたいだ。 よかった・・・・。 「ところでそんな大荷物・・・どうしたんですか?」 沖田さんは、私が持っている荷物を指差し言う。 「コレですか?実は家出して来て・・・」 「家出!?どこから来たんですか?」 「長州です!」 この時、時間が止まったかの様に静かになった。 え?何かまずい事言ったかな? 「・・・貴方、冗談きついですよ」 「え?本当に長州から来たんですけど・・・」 「殺されたいんですか?」 「えええ!?どうしてそうなるんですか!?」 「知ってますか?長州と幕府って敵なんですよ」 「そうなんですか?ここは?」 「壬生浪士組の屯所です。幕府です寄りです」 ニコっと笑う沖田さん。 って事は私と沖田さんは敵。 じゃあ・・・・殺される!? とりあえず逃げなきゃ・・・ 「あ、あの!私・・・帰ります!」 「帰らせませんよ」 私の腕を掴んで離さない沖田さん。 「離してください!!帰ります!」 「うーんとですね・・・もう帰れないですね、多分」 「いーやーだー!帰る!」 ああ、何でこんな失敗をしてしまったんだろう。 お母さん、お父さん。 暮葉はもう殺されるようです・・・。
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