夏にて狂愛

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 梅雨が明け、七月の半ば。四季の中に於いてダントツで一番嫌いな季節が容赦なくレベルを上げる今日。  学生に与えられた長期休暇期間を有効活用しようと私はコンビニのバイトをはじめました。そんでもって恋に落ちました、ずっきゅーん。恋愛小説とかでよく見る一目惚れっていう奇怪な現象は本当にあるんだなーと私は自分の身を持って知ることになった。  異様なほど静けさを漂わせ、月光に照らされる住宅街。そんな中、私のハートをラブによって真っ赤に燃え盛る紅蓮に染め上げた愛しの鈴木くんをリアルタイムで追跡中です。いわゆるストーカーってやつですね隊長!  暗闇を一時照らし出すケータイの画面を確認すれば夜の10時を過ぎていた。鈴木くんが行く道の先に目を凝らせば自身が闇に呑まれてしまうような、そんな幻惑染みたものを視界に覚えさせてしまう時間帯、夜。月と車のライトと電灯のおかげで私の行く道は示されているわけですが、決してその道が正しいかどうかという疑問はそこら辺に置いておきましょう。しかし夜だというのにただひたすらに暑いんですが。熱気は冷めないし、涼しい風はこない。だから夏は嫌なんだ。日焼けするし。  
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