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「ハッ、ハッ、ハッ、ハッ、、、、、」
新庄は後方を窺(うかが)い、息が続かない己の体力の無さにゲンナリした。
「何処かで撒(ま)いて、ちょっと休ま無ぇ
と持たねぇ!」
このままでは追い付かれ、訳も分からずまた戦うはめになると、新庄は憂鬱な気分になっていた。
事の起こりは何時ものゲーセンを1人で出て来て、そろそろ家に帰るかと歩き出した新庄の行く手を、阻む様に佇む2人のヤンキー面の男達の出現から始まった。
歩き出して直ぐ目の前を塞ぐ男達に気付き、新庄と男達の目が合う。
『チッ、面倒臭ぇ』
心でひとつ毒づき足を止める。
背後からの靴音に新庄は後方をチラリと見て、やはり同じ匂いの男達3人が、近付いて来ているのを確認した。
『しょうが無ぇかぁ』
ため息を着きつつ、直ぐ脇の路地へ新庄は自分から入って行く。
路地を入って50m程先に、少し拓(ひら)けたスペースがある事を思い出していた。
表通りからは見えにくそうだと考え、新庄の足は迷わずそこへ向かう。
ぞろぞろと男5人が新庄の後に続く、
不意に襲って来る気配も無く皆無言だ。
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