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「・・・気付いてた?」
「どうでしょうか。私は何も教えられていませんから。それより、私に何か用があるのでしょう?」
ああ、さらりと話題を代えられた。
しかしぐずぐずしている時間は無いので、旅人に急いで荷物をまとめるように指示したが、彼は既にまとめていたようで、「では行きましょうか」と部屋から出て行った。
(案内、いらないんじゃね?)
ことごとく腰を折られたせいか、若干遠い目でリュウは旅人のあとを追って部屋を出た。
途中途中見つかりそうにもなったが、なんとかかわして待ち合わせ場所につけば、姉と旅人が楽しげに談笑していた。
なんとも脱力。
「遅かったわね、リュウ」
「旅、人が、早過ぎ、るんだ・・・」
息切れとともにそう言えば、姉は負け惜しみねと笑った。
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