序章

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-皇暦5002年8月13日00:00分- その空間には酔ってしまいそうな程に酷く甘い匂いが満ちていた。 そこは暗闇に大きく口を開いたような洞窟、その深くから匂いは漂い最深部へ行く程に濃厚差を増す。 その洞窟を白銀の長い髪を靡かせ、蛇のように細い瞳孔をした金色の眼を持つ青年は迷う事無く歩いた。 甘い匂いと共に僅かに湿った空気を大きく吸い込む、歩きにくい岩場は時折足を踏み外しそうになり、小さな水溜まりでブーツを濡らし汚してしまう。 暗闇と同じインナーと青いジーンズ、羽織ったロングコートも時折岩肌へ触れ見事に汚れが付く。 しかし青年は服の汚れなど気にする事は無くただ前へと進む、それが己の罪を償う第一歩になる事を祈りつつ…
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