序章

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そして正面へと肩と同じ高さに真っ直ぐに伸ばされた右腕、手の平を軽く開く。 同時に手の向こうで空間が割れる、まるで鏡にヒビが入り空間と言う名の欠片が弾ける。 割れた空間は子供よりも小さく、中は大小様々な光が沢山暗い渦に巻き込まれている、まるで小さな宇宙を思わせるような光景だった。 [時空間]、過去と未来を行き来出来る空間に青年は赤子の異形を解き放つ。 赤子に[時空間]の術を施し、この世界に上手くあの人を連れて来るようにと心から願う。 やがて赤子を飲み込み[時空間]は何事も無かったかのように消滅する。 ただ消滅した空間を静かに見つめる青年と、淡い光を放つ繭を残して…
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