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残念ながら、人々の必死の祈りも虚しく、安泰の祈りはどこにも届かなかった…。
その夜…
その集落は、先程咆哮を上げていた獣達の食卓へと変わる。
人々は、絶滅への一途を辿るしかないのか?
先程の儀式は、日が暮れても火を焚き続け…。
それは、三度陽が昇るまで続けられた…
人々は、一睡もせず祈り続けた為、村人達は疲れ果てて、深い眠りについた。
いけにえの娘を捧げた家族は、娘を失った悲しみを堪えながら
目覚めれば安泰が続くと信じ、深い眠りについた…。
その夜、儀式のため火を焚いた煙のせいで、獣達の怒りは頂点に達し付近の森から集結した獣達により、熟睡中の無防備な人々は、次々と襲われた…。
獣からすれば人間なぞ弱く、食べやすい餌としか映らなかった…
なおかつ、人間は火を使うので、獣達からすれば、非常に目障りな生き物だ。
無惨にも、獣達に肉体は貪り喰われたが、摂理や理を知り始めた人間は、死んでから魂だけで存在出来る術を自然と身につけ始めていた…。
神や悪霊と呼ばれる者の始まりだ。
世はまだ、長く生きた知恵のある獣の魂が魂世を支配していた…
それは…妖怪だ
当時はまだ、妖怪と人間魂の決闘は、見えぬ世で行われていた…
激しくも永遠に…。
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