光と闇の始まり

4/8
前へ
/79ページ
次へ
この時代… 知恵や権力、または位のある人間の名前に、神の名を付け名乗っていた… 愚かにも、人であるにも関わらずだ。 しかし、それらの肉体が死して滅び… 魂になっても、魂世で神と名乗った。 それが、皮肉にも本当の神の始まりであった…。 神々は、魂世で様々な神と出会い、現世で培った知恵を、互いに持ち寄り話し合っていた。 魂世での秩序が、必要だと… そして、このままでは現世の人間が、絶滅してしまうと… 死んでしまった村の長達は魂世界で、『大ノ神』と名乗っていた。 なんと、話し合いの結果、それを大儀に、現世に足を踏み入れ出した…。 それは、間違いの第一歩でもあった。 魂世界と現世界をつなげてしまっては何が起こるかわからない。 しかし、現世の人間に知恵を差し延べねば、絶滅してしまうかもしれない。 それは、秩序の始まりでもあり、愚かさの始まりでもあった… 人々は繁栄を極めるには、まだまだ程遠く、日々多く人間が、死んで行った。 現世は、死ねば数は減るが、魂世界は減らない… 魂世界では、魂は日に日に増えるばかりだ… 神々と名乗りを上げる人々は、果てしなく増え続け 様々な神々が現れた… そこに階級が生まれた。 神と言えど人だ… 欲もあり悪意もある。 中には罪を重ねる神々も現れた。 でも、それらを咎める方法が、魂世界にはない… 皆、既に死んでいるし、処罰の方法が見当たらず、当時は死んだ者に苦痛を与える術が、あまり見出だせていなかった。 そのため、幾年もその悩みは解決されぬまま時は流れた。
/79ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加