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神々は、人間の存続を謀る為、時折現世に現れては助言を促した…。
それが、いわゆる神のお告げ等の類いの始まりである。
しかし、神も所詮元は人…
考え方や判断に間違いもあり、人々は時々、飢餓や疫病にも見舞われ、困惑したが、人々は諦めず神にあらゆる導きを求めた。
導きの甲斐あってか恵まれた場所に繁栄を極め始めた集落がここにあった…
北東に山々を望み、妖怪を憚る結界を作り、拓けた平野に地を治め、大河により田畑は豊かに実り、人々は安心して繁栄した。
昔の日本の中心、京の都、である。
時は経ち、獣達は衰退し
世は、人間の支配下になろうとしていた。
かくして神々は、魂世で不動の地位を治め
人々も現世を不動のものとし始めていた…
そんな中でも人は死に
新しく魂世に来た者から新しい知恵と情報を、神々に与え続けた。
そのことにより、現世と魂世では、秩序の差がさしてないようにも伺えた。
そして、法を基に組織が作られ始め、秩序の基盤が作られた…
ただ、魂世では現世の様な法は通用するわけもなく、現世の法を元に、魂世法が施行された。
現世で言う警察や軍隊等、政治的組織が編成され
大ノ神は現世で言う内閣や天皇の様な地位に立ち、法を指揮していた。
悪行を重ねた魂は、神にはなれず、ヤクザの様な組織が編成され、それに対抗した。
もはや現世と変わりない…
魂世での主な通貨と資源は、生命エネルギー『生気』だ
物理的な物質を魂世では扱う事は出来ない。
つまり、現世での生き物の生気が、死んだ者の力の源になるのである。
これだけの年月を、生き死にした人間魂達は、生気の価値に着目し
生気を資源として、それらを巡り、壮絶な終りのない戦いが、始まった。
魂世では、生気を巡り
神々は、秩序と摂生のバランスを保つべく、現世を取り締まり、また不正を働く者達と争った…
しかし、魂世でも、悪知恵を働かす者は後を絶たず、現世の人々の生気を、違法にも吸い取り力をつけ、神々に取って変わって繁栄を極めんとしていた…。
取り締まりの甲斐も虚しく、悪霊達は日々違法に現世に侵入し、神々を欺き、人間から生気を吸い取り、力を強大なものにしていった。
それらを取り締まる神々
戦いは雌雄を決する勢いになっていった…
神が負ければ、魂世は悪霊達の支配下になり、現世は悪霊の餌場と化し、混乱の一途を辿る事になる。
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