No.3 ハルカ

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お客様を送り出し、待機席に戻ってきたハルカちゃんは、小さな紙に何かを記入し始めた。 …先程のお客様にいただいた名刺? 裏に、メガネデブアキバ系、ネットの話、と書いてる。 そして…似顔絵。 簡単に描いてるのに、似ていて…小さくふいた。 ストレートだけど、的を射た表現。 私が吹き出した事に気づいて、ハルカちゃんが笑った。 「これー?忘れない内に書いてファイルしておくの。そしたら、次来た時に困らないじゃん?」 …なるほど。 次に携帯を取り出してニュースチェック。 「結構ネタになるやつ、あるんだよねー。」 …携帯ってゲーム機能つきの電話じゃなかったんだ… 自分のアプリしか使ってない携帯が情けなかった。 一通りチェックしたら、自分の名刺に出勤日や携帯番号、一言メッセージを書いて。 一連の作業をすませた後、また指名がかかって行ってしまった。 他の女の子は、待機中に雑談したりしているのに… ハルカちゃんは『仕事に繋がる』事をしてる。 …時給を貰ってる以上、当然なのかもしれないけど… それを実行できるのは、素直にすごいと思えた。 ハルカちゃんの人気の秘密… 少しだけ、見えた気がした。
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