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手のひらが段々と大きく見えてくる。
私は、手がひょっこりと飛び出した一本の木を目の前にすると、その向こう側にいる「声の主」を覗き込んだ。
一瞬フワッと風が吹くと、私の視界に映ったのは桜の木にもたれかかって座る20代くらいの男の人だった。
整った顔でキラキラに輝く金髪。耳にはたくさんのピアス。そして右手に缶コーヒー。
私を下から見つめる彼の口元は笑ってた。
金髪にピアスで缶コーヒー…普段ならこんな派手な顔した人にあまり近寄ったりしない。
怖いというか…
危ないと言うか…
なんと言うか…。
不良とまでは言わないけれど、こんな雰囲気の人は私なんかが近づいてはいけないオーラがある。
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