第1章

3/26
86人が本棚に入れています
本棚に追加
/363ページ
私たちが出会ったのは私が高校2年生になる春だった。 桃色の可愛らしい桜がふわりと咲いて暖かい季節だった。 学校に行く途中、通学路の桜並木で歩く足を止める。 いつも通る道なのに、今はなんだか違って見える。 桜の花が咲いているだけで、こんなにも景色が変わるなんて…。 桜の甘い香りが優しく鼻に触れる。 満開の桜のトンネルに包まれて、私は再びゆっくりと歩き出した。
/363ページ

最初のコメントを投稿しよう!