第1章

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  「ていっ!そりゃー!」 必死だけど、どこか可愛らしくも聞こえる男の子の声は続く。 しばらくして男の子はランドセルを地面に置くと、頭に深く被っていた黄色い帽子を手に持ち、ブンブン振り回し始めた。 先程よりも軽やかに飛び跳ねている姿は、更に元気いっぱいに見える。 だけど私は、見れば見るほど男の子の行動がわからなくなった。 どうしたんだろう? 掛け声といい、まるでその少年は何か見えない敵と戦っているようだった。
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