2011年

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第4位👑 「チョコレートコスモス」恩田陸 理屈抜きで、ただもう夢中になって読んだ作品です。 演劇が好きで無い人も楽しめて、マンガ「ガラスの仮面」好きには垂涎ものです。 演じるというより誰かになる、という天才肌の飛鳥。 演劇サラブレッドだけども努力型のライバル。 ガラスの仮面を連想させはするけど、ちゃんと人物が描かれているので二番煎じと感じさせません。 若き脚本家も目を離せないです。 演劇を小説で表現するのは難しいはずなのに、 繰り返されるオーディション場面で単調で飽きが来るはずなのに、 作者の筆力にひたすら感嘆させられます。 読みおわった時の寂しさはひとしおで、もっとこの世界に浸っていたかったと。 でも続編になると蛇足になってしまうような、、、この終わり方が一番いいのかもしれません。 第3位👑 「ぼんくら」宮部みゆき 江戸の役人、井筒親分が見廻りする長屋での度重なる事件。 長屋のまとめ役に若者が抜擢されたことから物語が始まります。 長屋住まいの人達は皆で助け合って生きて、損得の無い人情に溢れています。 特に肝っ玉母ちゃん気質の子無し未亡人、お徳には流れてる血の温かさまで伝わってきます。 お徳は江戸時代に確かに存在したと信じてやみません。 辛い時期を乗り越えたからこそ人の痛みに添うことができる、そんな後天的なお徳の強さに感銘を受けました。 ただラストが…わだかまりが残るので、3位に留まりました。
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