丑の日SS(本編)

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輝く目で鰻を見つめながら、嬉しそうにサディアスは鰻の手を引っ張ってワゴンに近づく。 疲労による所為か、店主は若干ダルそうな顔で「いらっしゃいませ」と声を掛けた。 「クックアイスって奴くださいなっ!」 元気のいい注文に元気なく答える店主。 スタンダードなコーンに若干桃色の混じったアイスが二段盛られ、サディアスの手に渡される。 意気揚々とそれを食べるサディアスを他所に、鰻は溜息混じりに代金を支払った。 「今日はイャンガルルガの軟骨のから揚げにしましょうかねぇ」 ノープランで買い物をする筈だったが、思いついてしまった物はしょうがない。 一種のやっちゃった感に浸りつつ、周りの商品に夢中なサディアスを連れて行く。 時折、先程の「買ってほしいな」オーラを放つが、鰻の「買いません」の一言で一蹴される。 傍から見れば親子のようにも見える微笑ましい光景である。 が、そんなやり取りも束の間。 『7月28日』 この日付が何を意味するのか、サディアスは勿論、鰻も解っていなかった。 「ぬぬ?」 逸早く”それ”に気付いてしまったのは、サディアスだった。 首を傾げ、鰻の背中をつついて”それ”を指差す。 ちらりと指差した方向を見た瞬間、鰻の表情が固まった。
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