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一方、これまで無反応の鰻はと言うと。
「ふぅむ……96点と82点」
採点をしていた。
この謎の採点に、二人の狐耳はピクリと反応を示す。
前者の点数は雅、後者の点数はサディアスに対しての物なのだが、鰻は雅を見つめて嘆くように溜息を漏らした。
「はぁ……貴女の耳は今までで頂点にふさわしい……んですけども、好きなように触れないってのが惜しい所なんですよね……。サディアス、来なさい」
「うぐぐ……」
「あいよっそ!」
元気な返事と共に再び鰻の元に駆けつけるサディアス。
曇った表情を見せる雅は、何処か悔しそうにも見える。
謎の採点の正体は、耳フェチである鰻による今日のもふもふ度である。
勿論、点数が高ければ高い程触った時のもふもふとした触った者の幸福感が大きい。
しかし、此処にいる二人は鰻以外が耳に触れる事を毛嫌いしている。
特に雅に至っては、”本気で殺す”つもりで抵抗する。
鰻の許可なくして他人が触れる事は一切許されない。
至高が故の逆鱗である。
――さて、此処まで長くなったが、本日は7月28日である。
この日付が何を意味するかは、此処にいる二人がよく解っている。
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