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3人を乗せてアカデミアの大地を離れ、宇宙へ出た頃、再び通信機が鳴る。
通信を開く前に、目にとめた発信番号は銀軍本部からだった。
「はいっ!」
緊張した面持ちで応じるトトロス。
映し出されたのは、ブロンドとライトブラウンのしましまな髪をした優しそうな顔の男。
「私はサムエル。君たちの通信を傍受させてもらった。民間人の子が倒したんだって? ぜひ、その子に会ってみたいんだが…いいかな?」
ヒカルはその男の声を聞いた瞬間から震えていた。
自分でもよくわからない。
寒いわけでもないのに、震えが治まらない。抑えられない。
「ヒカル?」
アイルとレイナがヒカルの顔を覗き込む。
2人に心配させまいと、ヒカルは通信画面を覗くように見る。
その瞬間。
ヒカルの頭の中に走馬灯のようにいろいろな映像が流れ込む。
「ぃやああああぁぁぁ……」
今までにないくらいの、大声で叫んでから気を失った。
サムエルという男からの通信も、いつの間にか消えていた。
ヒカルが叫んでいる間に「またね、シャィニー」と聞こえたような、聞こえなかったような。
程なくして戦闘機は母船の格納庫に戻ってきた。
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