友情の絆

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「これがオレたちの船、戦艦バーゼルナイツだ」 トトロスは一足早く降りて、ハジゴを立てかけた。 アイルとレイナは順に降りてくる。 トトロスはヒカルを抱えた。 「オレはこいつを医務室に運ぶ。あんたたちは、そうだな……とりあえず、ブリッジに行ってくれ」 トトロスはさっさと格納庫からいなくなってしまった。 「とりあえず、行きましょ」 レイナはアイルを連れて歩き出した。 放っておいたらアイルが余計な物を見つけそうだと思ったからだ。 幸いにも、廊下に案内表示があったので、ブリッジにはあまり迷わずについた。 スライドドアを開けて目に入るのは、一面の闇と数多の星。 中程まで歩み、振り返ると、一段と高くなった所に偉そうな帽子を被った人がいることに気づいた。 その人もまた、レイナたちを見つけ、高い所から下りてきた。 「私はこの船の艦長、オルドーネだ」 帽子から覗かせる白髪まじりの黒髪。肌は色黒く、目はちょっと細めで、左頬に一筋の傷痕。 体格もがっちりしていて、やり手の軍人だということは、素人の目で見てもわかる。 「通信を聞かせていただきました。アカデミアが封鎖されるとは、どういうことですか?」 レイナは言葉を選びながら、単刀直入に言った。 「ヴァーミン、さっきの害獣に侵略された星は、銀軍衛生管理局の介入が必要となる。管理局の許可なしに星へ出入りすることはいかなる場合であっても許されないのだ」 「侵略? 侵入させたのはそちら側のミスでしょう?」 「うむ。そうだ」 「艦長!」 民間人相手にあっさり非を認める言動に周りから声が上がる。 「だが、いかなる場合であっても、我々に責任を負う必要はない」 「それって、責任がないってことですかっ? 無責任ぢゃないっ!」 「そう銀軍法に記されている」 そう言い返されて、レイナは次に出る言葉がなかった。 軍の規律に従っている。軍法を破れば軍人ではなくなる。 「君たちの親御さんに連絡を取る必要がある」 オルドーネに言われてレイナはハッとした。 「そうよ。パパやママ…」 「心配しているだろう。そろそろ閉鎖したというニュースが流れる頃だ。こちらで連絡をとるから名前を教えてくれるか?」
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