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私の過ちはその後の行動だった。
自分だけが楽園と自分の姿に気付き、このことを話したいと思った。
別段隠す必要など無かったため、いつも通り普通にお酒を飲み、いつもと変わりなく、新しい話の一つとして口にした。
すると一閃の光が辺りを包んだ。
光が無くなると私以外の一切のものが静止していた。
杯に注がれる酒、口から迸る唾、皿から落ちた食物、あらゆるものが。
そんな光景に驚き戸惑っていると、あの言葉を放った声が再び響いた。
――貴様、いつ自分という存在を知った!
――この世界において自分を知る、それは唯一の罪を意味する。
私は震えながら訪ねた。
――なぜ、自分を知ると罪になるのでしょう?
――私という存在を、私は認識した。たったそれだけのことに罪があるとは思われないのです。
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