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声は答えた。
――黙れ! 貴様の言葉など聞かぬ。
――罪を犯したものはこの楽園より追放する!
そう声が告げると、天上より稲妻が降ってきた。
稲妻が体を貫くと私は気を失い、波の音に目を覚ますと砂浜に横たわっていた。
水平線を虚ろに眺めていると三度声が響いた。
――そこは遥か東の涯て、堕落の地だ。
――お前は楽園の時間を失い、永遠の命を刻むことはできなくなった。
――これからはその地の時間で、少しずつ衰退し果てるがいい。
そこで声は終わり、私は呆然と彼方を見ていた。
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