俺のまわりは変人ばかり

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自己紹介が遅れたが、俺の名前は龍崎一樹。 この物語の悲劇の主人公である。 他の紹介はおいおいするとして、今俺が置かれている状況を説明しようか。 「おっはよーー!」 そんな元気が良すぎて思わずひっぱたきたくなるようなヴォイスで眠りから覚ましてくれたのは、間違いなく俺の姉、裕美である。 俺はと言うと、ベットから引きずり落とされ、姉に見下ろされるはめになった。 これが遅刻ぎりぎりだったのなら、多少の感謝もしただろうが今は夜中の3時だ。 もう一度言おう、夜中の3時だ。皆寝てんだ、熟睡してんだ。 「出ていけ、そして二度と入ってくるな。」 「私にそんなこと言うんだ。じゃあいくよ……」 しかし姉は出ていこうとせず、一呼吸すると、飛んだ。 そして俺が瞬きしている間に右腕を取られ、両足でロックされた。 まあ腕十字ってやつだ。 「痛い痛いっ!ちょっ極ってるつーの!ギブギブギブっ!」 「せっかく弟と遊んであげようと思ったのにあんな態度とられたらなぁ~、お姉ちゃん悲しいなぁ~」 何を隠そうこの女、大の格闘技オタクである。習得した技は数知れず(実験台は全て俺)。 大学でサークルを作っているとかいないとか。 「あ~悲しすぎて折っちゃうかも…ねえどうする?」 ちなみに本気だ。前に、怒らせたとき腕一本折られたのを俺は忘れない。 その後一週間怖くて姉の顔が見れなかったのはいい思い出だちくしょー。 「……ごめんなさい。」 くだらんプライドなんぞそこいらの狗にくわせてしまえっ。 「ん~~?聞こえないよ。あとお姉ちゃんって呼んでほしいな。」 この女どこまで俺を辱めるつもりなんだ。 あ、ミシッていった。 「お、お姉ちゃん、ごめんなさい……」 「んー素直が1番だよ。」 背に腹は変えられないんだ。 まあ、解放されたからよしとしようか。 「じゃ次いってみようか?」 「もう嫌だーーー!!!」
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