北海道のユキちゃん

ユキちゃんと子豚

［ウィィィ…］
「にゅ！」
「はっ！」
「ブヒ？」
昇降ゲートがゆっくりとユキちゃんとハナちゃんとブタキチ達の前で上がり始めたよ。
「ブヒ、ブヒ！」
昇降ゲートがゆっくりとブタ吉達の前で上がってくね。
「ブタキチ…」
「ブタキチ…」
涙ぐんで見詰めるユキちゃんとハナちゃんの前で昇降ゲートが上がってくよ。
「ブヒ、ブヒ？」
「ブタキチ!?」
「はうっ!?」
昇降ゲートが上がってブタ吉達が見えなくなっちゃったね。
「ふにゅ…」
「ふうぅ…」
ユキちゃんとハナちゃんブタ吉達が不安にならない様に大声で呼びたいのをガマンしてる。
「ブヒ～、ブヒ～？」
「…」
ブタ吉達の鳴き声を聞いてガマンしてるユキちゃんとハナちゃんを拓兄が見守ってるね。
「…」
拓兄切な気に微笑んだよ。
［ィィィ…ン］
昇降ゲートが上がりきったね。
［ブルブルブルブルブルブル…］
「ブヒ～、ブヒ～！」
事務所前に止まってるトラックの後ろでユキちゃんとハナちゃんがブタ吉達の鳴き声がする荷台を見上げてるよ、拓兄は前で運転席の運転手とお話してるね。
「したらまた、よろしくお願いします！」
「ああ、気を付けて！」
運転手が拓兄に挨拶したから拓兄が答えたよ。
「雪、花、トラック出るぞ！」
「！」
拓兄が後ろにいる二人に声を掛けたからユキちゃんとハナちゃんがハッとして拓兄を見たね。
「ブタキチ、みんな、バイバイさ!!」
「ブタキチ、みんな、バイバイ!!」
荷台を見上げてユキちゃんとハナちゃんが声を掛けたよ。
「ブヒ～、ブヒ～！」
ブタ吉達が答える様に鳴いてる。
［ブオオオオオ…］
「ふあ!?」
「あっ!?」
ゆっくりトラックが動き出したからユキちゃんとハナちゃん慌てて目で追いかけたよ。
「ブヒ、ブヒ？」
トラックがまた動き出したからブタ吉達キョロキョロしてるね。
［ブロロロロロ…］
「…」
トラックがゆっくり離れてくのをユキちゃんとハナちゃんジッと見送ってる。
「ブタキチ…」
「ユキちゃん…！」
ブタ吉を呼んでユキちゃんが歩き出したからハナちゃんも歩き出したよ。
「ブタキチ…！」
「!?」
小走りでトラックを追い始めたユキちゃんとハナちゃんがすぐ横を走り過ぎて拓兄がハッとしたね。
「雪、花、おい？」
拓兄がユキちゃんとハナちゃんに声を掛けて二人を追ったよ。
「ブヒ～、ブヒ～!」ブタ吉達が二人を呼ぶ様に鳴いてる。
「ブタキチ～！」
「ブタキチ～！」