ユキちゃんと子豚

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道道に出る前に一時停止して車待ちしてるトラックの後ろにユキちゃんとハナちゃんが駆け寄ってくよ。 「ブヒ~、ブヒ~!!」 ブタ吉達が二人を呼ぶ様に鳴いてるね。 [ブオオオオオン、ブオオオオオン…] 「ふあ!?」 「あう!?」 ユキちゃんとハナちゃんが近付く前に車が通り過ぎてトラックが道道に出てくよ。 「ブタキチ~!!」 「ブタキチ~!!」 「雪、花!?」 涙ぐみながらユキちゃんとハナちゃんが追いかけてくから拓兄も二人を追いかけて来たね。 [ブオオオオオ…] 「ブタキチ~!!」 「ブタキチ~!!」 道道を走るトラックを追いかけてユキちゃんとハナちゃんが歩道まで出て来ちゃたよ。 「ブヒ~、ブヒ~!! 」 二人を呼ぶ様にブタ吉達が鳴いてる。 「ブタキチ~!!」 「ブタキチ~!!」 トラックがスピードを上げてユキちゃんとハナちゃんが離されて行くよ。 「ブヒ~、ブヒ~!!」 ブタ吉達を載せたトラックが道道を走ってくね。 「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ!!」 息を切らして立ち止まったユキちゃんとハナちゃんに拓兄が駆け寄ってくよ、トラックが離れてくね。 「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ…」 「二人とも、危ないべや…!」 涙をこぼして見送ってるユキちゃんとハナちゃんに拓兄が息を切らして言ったよ。 「にゅう!!」 「?」 おっきく息を吸うユキちゃんをハナちゃんと拓兄が見たね。 「ブタキチ~~!!」 弾ける様にユキちゃんが呼んだよ。 [ブオオオオオ…] 「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ…」 離れてくトラックをユキちゃんとハナちゃんと拓兄が見送ってるね。 「うぅ…」 「ふぅ…」 「戻るべ、雪、花…」 泣き顔で見送るユキちゃんとハナちゃんに拓兄が言ったよ。 「ふぐ…!!」 「うぐ…!!」 ユキちゃんとハナちゃんが振り返ったね。 「うわあああああん…!!」 泣きながらユキちゃんとハナちゃんが拓兄の足にしがみついたよ。 「雪、花…」 拓兄切な気に微笑んでユキちゃんとハナちゃんの頭をなでたね。 「兄ちゃんも子供の頃、懐いてた豚と別れて泣いたな…」 「ふにゅ…?」 「ぐすっ…?」 拓兄が呟いたからユキちゃんとハナちゃんが泣き顔を上げて拓兄を見たよ。 「兄ちゃんは幼稚園に行ってる時に連れてかれたから見送ってやれなかったんだ…」 拓兄が切な気に笑って言ったね。 「タクにい…」 「にいちゃん…」 ユキちゃんとハナちゃんが涙顔で見上げてるよ。 「見送れて良かったな!」 拓兄がニッコリ言ったね。
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