悲劇の始まり

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何⁉ あっという間に囲まれて、逃げ場が無くなってしまった。 うっ…! 口に当てられた白い布から、鼻をつくようなにおいがしたかと思ったら意識が遠退いていく… 何が起きてるの?? 意識が戻った時には、無数の黒い手が私の体を予測不能に這いずり回っていた…。 ゃだっ‼‼ 気持ち悪い…‼ 目隠しされているのか、前が真っ暗で何も見えない…まるでもてあそぶように、動く手、舐めまわす舌。 誰か誰かお願いだから …助けて。 助けて、助けてよッ‼ 「いゃぁ…‼」 ありったけの声で叫んだ。 でも次に私の身におきたのは、激しい痛みと体がきしむ鈍い音。 拳が腹と口に同時に食い込む。 痛い、痛いよぉ… もう叫ぶ力も無くなっていた。 鳴り響く、シャッター音。 何も身に着けていない滑稽な体が撮られていくのが思い浮かんだ…。 もう……やだ。。。 私は、車から放り出された。 無様な姿で…。 通りには誰もいない。 ここが何処か分からなかった…ただ泣き続けた…。
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