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でも、姉ちゃんのおかげで俺は立ち直れた。
「ごめん姉ちゃん牛乳とってくんない?」
「…………」
「あの、牛乳を」
「……………」
無視
「しゃあない…よっ、と」
姉ちゃんの手元にある牛乳に手を伸ばした
「あまり近寄らないで、イタいのが移る」
「それ朝の食卓で実の弟にあびせる言葉じゃないですよね!?」
こんな風に2人ながらも姉ちゃんが賑やかにしてくれるからだ、時々ひどいこと言うけどそれも場を明るくするための冗談だろう…
『チン!』
トースターが軽快な音を出す
「あんたの分焼けたわよ」
「ん、ありが……何、これ?」
「パン」
「隅々まで真っ黒なんですけど」
「あぁーゴメン、あたしメカ音痴だから失敗したな」
「そこの自称メカ音痴!!何で焼き時間完璧なパンを頬張っている!!こんなん食べたら死ぬよ!?」
「大丈夫、竹炭パンってあるくらいだし」
「それは炭が練り込んであるだけ!!これはもう炭そのものです!!」
「大丈夫大丈夫、ほらイカとかタコって墨吐くじゃん」
「うん」
「てことは体内に墨があるってことでしょ?」
「そうだね」
「つまり…そういうことよ」
「どういうこと!!?てか俺墨吐かないし軟体動物の仲間じゃないしそもそも『炭』と『墨』で字違うしツッコミすぎだし!!」
冗談だと信じたい…てか朝から疲れる
「おっと、もうこんな時間」
「ホントだ」
俺と姉ちゃんの出る時間はいつも同じ
「今日遅くなるからご飯先に食べてて」
「了解」
姉ちゃんは一足先に家を出て俺に家の鍵を投げながら駅へ向かった
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