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「幸子、あんたは長女なんやけん、お母さんが死んだら下の兄弟の面倒ばみらないかんちゃけん。ちゃんと手伝いもせな。」
母の説教ときたら、これで終わりはしない。
「お母さんはね、旗とりにもでれなかったんやけんね。あんた達もちゃんと勉強せんと、お母さんみたいに汚れる仕事せないかんちゃけんね。」
私が小学校に入学してからと言うもの、この説教は続く。
母が望んでいた進学高校に入学するまで。
今思えば、私は太陽のような母の周りをぐるぐる回るお月さまだった。
だから、未だに月夜が好きだ。
今でも親に好かれたい為に勉強してる子供は多いと思う。
子供とは本来そういうものだ。
今のニュースを聞くと、親が子供を虐待死させたり、子供が親をウザいからと家に放火したり。
母は理屈っぽい事は言わない。
「難しい事は分からんけんど、横っ面ばひっぱたいてやりたか。」
と自分の事のように、お母さん達のたまり場でわいわい騒いでいる。
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