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三つ子の魂百迄というけど、母も典型的なタイプだ。
母の強烈な個性は生まれた時から備わっていたんだ。
耳にたこが出来るぐらい聞かされた話。
「お母さんは五歳の頃からご飯をたいてたんだからね。」
父親を早くに亡くした、母は、ヤミ米を二日市から福岡まで売りに行くおばあちゃんの代わりに、家事を任されていたんだ。
母は楽しそうに話していた。
「おばあちゃんが作った飴だまやどぶろくを売って回ってたんやから。」
「お母さんがね、一番しっかりしとっとたと。だけん、代金と引き換えにしか売らんやったんやけん。」
この話をする母はいつも誇らしいげだった。
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