実力テスト

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「行ってきまーす」 家を出発し、自転車を漕いでいると後ろから声をかけられた。 「よっ!おはよう亮介」 喋りかけてきたのは入学式から仲良くなった北條 洋一(ホウジョウヨウイチ)同じ野球部のキャッチャーだ。 身長172cm、俺より少し低いが肩幅が広く俺よりもがっちりして見える。 「今日の実力テスト楽しみだな!」 こいつもテンションが高い。 「まぁな!俺の力がどこまで通用するか気になって仕方ないぜ」 「ここで認められたら練習に参加出来るってのは大きいよな~」 そう、まだ実績がない翔堂学園は先輩の人数がギリギリだった。 特に二年生が少なく三人しかいない。 なので場合によっては一年生もベンチ入りしてもおかしくはない。そのためテストで実力が認められたら練習が参加出来るのだ。 「まぁ亮介のスローボールじゃ無理だな」 洋一は笑いながら言った。 「何言ってるんだ。お前のバッティングじゃ当たる事すらないだろ」 なので言い返した。 「言ってくれるじゃねーか…後で覚えとけよ!」 こんなたわいもない会話をしながら学校へ着いたのだった。
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