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授業も終わり、俺達は早速グラウンドに向かった。
ちなみにグラウンドは学校から自転車で10分程度の場所にある。
ユニフォームに着替えた俺達はアップをし、キャッチボールをしながら指示を待った。
「一年生、集合。」
監督が集合をかける。俺達はさっと監督の周りで円陣を組んだ。
「えっと、一年生の実力テスト室内練習場で行う。アップを済ませた者はすぐ行け。以上だ。」
「亮介行こうぜ。」
「あぁ…」
そして俺達は室内練習場に向かった。
室内練習場はグラウンドの真横に設置されていて、しっかりとブルペンに内野くらいのスペースが設けられており、ブルペンの横の小さなスペースで素振り等が出来るようになっている。
「よっ!調子はどうだ?」
今話しかけてきたのは同じ一年生の芹沢 翔(セリザワショウ)。
こいつはショートを守っており、身長160cmと小柄な選手だ。
一回だけ先輩が試合で一年生は練習という日があったがその時のノックでは彼が1番上手かったと言ってもおかしくはないレベルだった。
「ちょっと緊張してるよ。」
俺は苦笑いしながら返事をした。
それとは反対に洋一はテンション高めで返事をしていた。
「ふっふっふ…この俺様に調子の悪い時等ないのだー!」
少し調子に乗りすぎだと思う。
「ははは。元気だな。俺もちょっと緊張してたけど楽になったよ。」
「確かに俺も楽になったかも。」
でも調子に乗りすぎたバカのおかげで助かったりする。
なんか…屈辱感が…
「それより亮介、軽く投げとかなくていいのか?」
洋一がミットを持って問い掛けてきた。
「おっ!馬渕の球見るの初めてだな。お手並み拝見と行こうか。」
俺が投げるというのは決定事項のようだ。
仕方なく、ブルペンに渋々歩いて行った。
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