妹≠根暗

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◇ まずは合コンの話。 参加者は八名で、会場は大学生らしく安い居酒屋だ。 俺は待ち合わせ時間の十分前には会場に到着していた。待ち合わせに遅れないのは、合コンというよりも社会の常識である。 メンツが揃うまでのあいだは適当に話題を振るだけ振って、あとは聞き手にまわっていた。話しやすいという印象を与えるためだ。 自分は間違いなく話し上手な部類なので、内心では喋りたくて喋りたくて仕方がなかった。 「あっ! きたよ!」と向かい席の女が叫んだ。 自然とみんなの視線はその女の見ているほうへと向けられる。
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