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俺は待ち合わせ時間ぎりぎりにやってきた女性二人のうち、片方に視線がいってしまった。
驚きで目を見開いてしまう。
何故なら――。
彼女が俺の妹にとても――とてつもなく、似ていたからだ。
髪型や服装こそは違うけれど、本当に妹そっくりだった。
俺が異様なくらいにそちらを見詰めていると、偶然にもその女性と目が合ってしまった。妹似の女性が笑いかけてきたので、取りあえずは俺も笑いかえしておく。
……ああ、驚いた。
あの女性はあかねに似ているだけであって、どうやらあかね本人ではない。俺の妹にあんな楽しそうな笑みは作れない。
だって、妹は根暗だから。
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